本気で集客力アップしたい人向け 出店ドットコム連載コラム

「通行人をお客に変える」唯一の集客装置 シリーズ

[Vol. 6] 3段階確率論:「魅力確率を高める」とは? 看板で店舗の魅力を伝えることが集客数を増加させるポイント

2018年12月17日(月)コラム一覧

3段階確率論:「魅力確率を高める」とは?

看板で店舗の魅力を伝えることが集客数を増加させるポイント

 数あるブランド豚の中でも、薩摩の「黒豚」、沖縄の「アグリー豚」、山形の「平牧三元豚」などは、一度は名前を聞いたことがあるのではないだろうか。いわゆる「有名ブランド豚」である。


しかし、味・品質・歴史において、上記の銘柄に勝るとも劣らないブランド豚が、日本全国には数多く存在している。約300種類ほどのブランド豚が、全国で飼育されているのである。


その中でも、「神奈川名産100選」に選ばれている「高座豚」。脂身が甘く、まろやかな味わいが特徴で、薩摩の黒豚と並ぶ高級ブランド豚として評価されている。


今回は、高座豚で手作りハムを作る工房、「高座豚手造りハム」の看板改善事例から、3段階確率論における「魅力確率」を高める方法について解説していきたい。

 

絶滅したブランド豚はいかにして復活したか?

 高座豚は、明治初期、高座郡と呼ばれていた綾瀬・寒川の地で養豚されたのが発祥である。肉質が柔らかく味も良いため、薩摩黒豚と並んで全国的に知られるようになった。


大正末期には、県中央部の農村地帯、現在の海老名市、藤沢市、相模原市でも広く飼育されるようになり、最盛期には3000頭の飼育が行われていたそうだ。


ところが1970年代半ば、大量生産が可能な外国種にシェアを奪われ、飼育に手間のかかる高座豚はほぼ全滅状態に陥った。

それから10年後、地元の養豚家の努力により、高座豚復活を果たす。


現在も、小規模ながら生産が続けられており、その希少性から、高級豚として一部の飲食店に卸されるほか、高級ソーセージやハムなどの加工品に回されている。


「高座豚手造りハム」は、その希少な肉を使った製品開発を行っている工房である。綾瀬の本社以外にも、相模原に工房と直営レストラン「シュバインハーベン」を経営しており、今回の事例は、相模原の工房とレストランが同居する建物の看板改善である。




同店は、1階の奥にハムやソーセージを加工する工房があり、表側はそこで作られた製品を販売するショップになっている。2階のレストランに向かうためには、ショップを通り抜けて奥の階段を使用するため、レストランに来店したお客が、食事を終えて帰る際に、お土産としてハムやソーセージを購入できるようになっているのだ。


今回の看板改善は、2階のレストランへの集客を増やすことを目的とし、同時に1階のショップでの売り上げも伸ばすというものである。

 

お店の魅力が表現されない看板

 「高座豚手造りハム」が立地する場所は、二本の道路が交差する角地にあり、通行人からの視認性は大変良い。




 建物の屋上に、円筒の看板を設置しており、遠目からでも建物の存在がわかる。

看板も、駐車場への誘導を目的としたポールサイン、建物の壁面に設置した袖看板、駐車場内には6基の自立サインと、通行人とお客に向けた店舗案内はしっかりと行っていた。




 

しかし、残念なことに、「集客」という観点から設置されている看板を「看板偏差値」の観点から見ると、改善すべきポイントがいくつか見受けられた。それは次のようなものである。


1. それぞれの看板の色とデザインに統一感がない

   そのため、通行人は「このお店ではどのような商品を扱っているのか?」「レストランと一階のショップの関連性は?」という疑問を持つことになってしまう。


2.    ポールサインの掲出情報が中途半端
看板で掲出された情報は、「高座豚手造りハム」という表記しかないため、それが店名だとは思わない通行人からすると、ハム販売のお店、という認識しか持つことができず、お店の魅力を感じることができない。


3.駐車場内に設置された看板がお店のコンセプトとは関係のないファンシーイラスト

   一見すると、幼稚園や保育園の駐車場に見える看板デザインである。商品である豚をファンシーイラストにしているため、店舗の魅力を伝えられずにターゲットとする顧客を逃している状態にあった。


4.店舗入口に通行人に訴求する情報が掲出されていない
通行人は、外からしか店内の様子を想像することができない。店内でのサービスや、提供される商品の情報を店頭で掲出していないため、通行人にお店の魅力を伝えられていない。


 

リニューアル看板はお店の魅力を前面に打ち出す!


このような改善ポイントから、リニューアル看板の製作方針が決まった。

 「通行人に向けた店舗の魅力発信」――3段階確率論の「魅力確率」を高めるための看板改善である。


まず、全体のデザインと色を統一し、高座豚を使った料理写真、ハム・ソーセージの写真を全面に押し出すことにした。さらに、入口にタペストリーを設置、1階のショップと2階のレストランの案内を掲出。





また、建物の壁面にシートを設置し、1階にショップ、2階にレストランがあることを、通行人に向けて大きく訴求することにした。





さらに、建物壁面、2階レストラン部分にテントを取り付け、「店舗感」を演出した。「ここにレストランがある」というアナウンスを、一振りのテントで表現したのである。





駐車場の自立看板は、商品写真を全面に掲出した看板に変更。そのことで、ここが手造りハムの工房と、直営レストランの駐車場であることを強く訴求することにした。




 

野立て看板によるブランディング戦略

同店では、店舗サインの全面改装に合わせ、集客数の増加を目的として、3基の野立て看板を同時に設置した。周辺の道路を走る車に向け、「手造りハム」と「直営レストラン」を訴求し、店舗の認知度を高める施策である。







同一商圏内に複数の野立て看板を設置することで、周辺住人や、商圏内を通行する通行人に対し「メモリーインプット効果」を

与えることができる。

テレビのスポットCMのように、常に同じ看板の情報を目にすることで、店舗が記憶に残るようになるわけである。


このような野立て看板の使い方は、単純に集客数を増やすばかりでなく、店舗そのものの認知度を、地域内で大きく上げる結果と

なっていく。すなわち、ブランディング効果が期待できるのだ。

 

看板改善により、「高座豚手造りハム」は、着実に集客数を増やすことになった。

設置後3ヶ月で、リニューアル前に比べて集客率が15パーセント増加したのである。


出店ドットコム編集部ひとこと

BEFORE写真を見た第一印象は、1階にはお店があって2階にはピンクの看板があるなということ。

AFTER写真では、見た通り1階はショップ、2階はレストランであると一目でわかります。

看板を変えたことで1階と2階は同じお店なのだと気が付いた人が多くいるのではと想像できます。


駐車場はこうして改めて説明を受けると当たり前のように感じますが、自店のこととなると見えなくなってしまうこともあるのではないでしょうか。

執筆者 小山雅明 博士(工学)
アイワ広告株式会社社長:日本感性工学会理事

 

集客サインコンサルティングの第一人者。有名外食チェーン店の集客アドバイザーをはじ め、数多くの飲食店、小売業など、業種を問わず V 字回復に導く。これまでに、11,000  を超える企業・店舗を繁盛店に導いている。

 

 人間の心と行動のあいまいさを工学を使って解き明かす「感性工学」の研究者として、「集 客の科学」を研究。研究成果は、「集客看板の 3 段階確率論」「看板偏差値」という独自理 論の構築につながっている。「段階確率論」は、スウェーデンで開かれた国際大会の席上、 査読論文として発表され、各国の研究者・学者から大変好意的に迎えられた。

 

NHK、テレビ東京、日本テレビ、TBS などの番組でたびたび特集を組まれ、雑誌・新聞メ ディアでの連載多数。現在までに 22 冊の著作を出版している。 主な著書に、三笠書房「人の心は色で動く」、かんき出版「看板の魅力で集客力がアップす る」、日労研「看板偏差値」、エーアイ出版「一冊の本で人生が変わる」など。

 

アイワ広告株式会社

http://aiwa-ad.co.jp/

 

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