本気で集客力アップしたい人向け 出店ドットコム連載コラム

「通行人をお客に変える」唯一の集客装置 シリーズ

[Vol. 5] 通行人をお客に変える集客装置は通行人の感性を誘導するロジックから

2018年12月03日(月)コラム一覧

通行人をお客に変える集客装置は通行人の感性を誘導するロジックから

通行人をお客に変える集客装置は通行人の感性を誘導するロジックから

 

看板を集客装置と考えたとき、通行人の感性を動かすためにはロジックが必要である。

今回は、通行人をお店のお客に変えるためのロジック「集客看板の3段階確率論」について解説してみたい。


 特に、店舗の魅力や個性・コンセプトを通行人に向けて一瞬で伝えるための「魅力確率」について、事例を見ながら説明していこう。

 まず、「3段階確率論」とはどのようなものか、簡単に説明してみたい。

 

通行人をお客に変える「3段階確率論」とは?

 通行人が看板を見て店舗へ入店するまでには、3つのステップを辿る。


 まず、看板で店舗を「発見」し、看板で店舗の「魅力」を見つけ、店内に「誘導」される――単純に言うと、この3つの段階を経て、通行人がお客に変わっていくのである。

「発見確率」を高め、「魅力確率」を高め、「IN誘導確率」を高めることで、店舗の集客数は大きく伸びていく。

 

発見確率

 街を歩く通行人が看板で店舗の存在を知る、車に乗った人が店舗の看板に気づく。その割合がどの程度あるのかを、「発見確率」と呼ぶ。


なにげなく歩いている通行人100人中何人の人間が、自店舗の看板に気づくことができるか――その割合が多ければ多い程、その看板は「発見確率」の高い看板ということになる。


発見確率の高い看板とは、次のようなものである。

 

1.   歩く速さ、車のスピードによる人間の動体視力を考慮に入れている。

2.   周りの景色に同化しない色や形、大きさや文字になっている。

3.   遠くからでも視認できる場所に看板が設置されている。

 

 通行人から発見されやすい看板は、必ずこのような要素を過不足なく満たす。


 「自店舗の看板は通行人から発見されているか?」


 そう考えながら、一度看板を通行人目線で観察してみるといいだろう。思った以上に看板が目に入ってこないことに驚かれるのではないか?

 

魅力確率

 看板で店舗を「発見」した通行人が、その看板の内容で店舗に魅力を感じてもらえるかどうかが、集客に大きな影響を与えるものだ。つまり、「魅力確率」を適正に発信できているかどうかの検証を、しっかりと行う必要がある。


 自店舗を「発見」してくれた通行人に、興味を持ってもらうためには、店舗内でどのようなサービスをどのような形で行っているのか、あるいは、スタッフの対応がどうなのか、料金体系など、通行人が知りたいことを適切に看板で表記してあることが、「魅力確率」を高めるためには重要になる。


 特に飲食店の場合、どのような料理をどのようなサービスで、どのような料金体系で提供されるのかがわからないと、通行人は不安を感じてしまう。不安を感じた通行人は、店舗のお客には決してならない。


店舗の魅力を看板で伝えるというのは、通行人の不安感を払拭させて、お店に興味と関心を持ってもらうことを意味するのである。

 

IN誘導確率

 看板を「発見」し「魅力」を感じた人が店舗の前まで来て、そのまま店舗内に入っていく確率を「IN誘導確率」と呼ぶ。お店を発見し、魅力を感じながらも、店舗に入らない通行人は意外なほど多い。その原因には、以下の3点が挙げられる。

 

1.   店舗の入口がわかりづらい

2.   店舗入口までの導線がはっきりと示されていない

3.   看板で店舗に対する安心感や信頼感を感じられない

 

 特に、通行人が看板で店舗を発見し、魅力を感じても、入り口に立った時、何となく不安感を抱いてしまう店舗がある。意外とそのようなお店は多い。

その原因のほとんどが、上記の3点に集約される。


 つまり、この3点を改善するだけで、集客数は増加するということである。何よりも、通行人が感じる「不安感」の払拭が、大切になってくるのだ。

 

集客数は3段階確率を高めると飛躍的に増える

 「発見確率」「魅力確率」「IN誘導確率」の数値を掛けることで、集客数は劇的に増える。数字上でシミュレートしてみよう。

 

条件:通行量115,000人の道路沿いにある路面店

 

l  通行の質 … 5%(750人)

l  発見確率 …35%(262人)

l  魅力確率 …30%(78人)

l  IN誘導確率…25%(20人)

      ※新規客数=20人/日

 

 通行の質とは、自店舗のターゲットとなる通行人のことである。通行人のどのくらいの割合がターゲットと成り得るのか、という意味だ。


このシミュレーションでは、一日20人の新規顧客が自店舗に入店することになる。

 では、看板の効果が最大化されたとして、通行量と通行の質を同じままシミュレートしてみよう。

 

l  通行の質 … 5%(750人)

l  発見確率 …50%(375人)→15up

l  魅力確率 …40%(150人)→10up

l  IN誘導確率…35%(52人)  10up

      ※新規客数=52人(32up)/日

 

 それぞれの確率を少しずつ上げるだけで、一日の集客数(新規顧客数)が2倍以上に増えていることがわかるはずだ。これは、数字上でのことばかりでなく、3段階確率論に基づいた看板改善では、ほとんどの店舗で新規の客数が増加している。

 

店舗の魅力を最大限に伝える看板事例

 それでは、3段階確率論に基づいた実際の看板事例を紹介しよう。


 鳥料理をリーズナブルに美味しく提供する店として、都内を中心にチェーン展開を積極的に行っている「とりいちず」。同店が東京都町田市の中心に新規開店することになった。そこで私たちが提案した看板がこちらである。

 




 

 これは日中の看板である。写真でおわかりのとおり、周囲には多くの飲食店が立ち並び、通行人への訴求が簡単ではない立地になっている。


特に、営業時間帯である夕方から夜間にかけては、周囲の飲食店も路上近くにまで移動式の立て看板を設置したり、電気で看板を照らすので、通常の看板では通行人にそもそも発見されない可能性が高かった。

 そこで、看板を「提灯」をイメージしたものにし、夜間には通行人からすぐに発見できるような演出を試みた。それが、こちらの写真である。





 

 

 夜間でも通行人への「発見確率」が極めて高くなっていることがわかるだろう。また、提灯仕様の看板は、同店の魅力を伝える役目をも担っている。


 同店は、「食は楽しみ」というコンセプトで、「美味しい料理を提供するのは当たり前で、それ以上の楽しみをお客様に提供する」という考え方を店内で実践している。


提灯は、その「楽しみ」を暗喩したものだ。

 つまり、同店の魅力を、提灯というアイテムで掲示しているのである。








 

 

 店内入り口である。同店はビルの地下に立地しているため、階段を降りなければならない。良い店なのに地下にあるばかりに思ったほど集客できない、という飲食店は、思った以上に多く存在する。


そのほとんどの原因が、地上から地下に向かう際に、入り口の階段周りが暗かったり、汚かったりしているところにある。

 自分が通行人として想像してみれば、それは理解できるのではないか?


 初めて行く店舗が地下にあり、店内に行くためには階段を降りなければならないとしたとき、もし、階段が暗かったり汚かったりしたら、降りるのが不安になるはずだ。


通行人を不安にさせては、店内への誘導は困難になる。

 とりいちずの場合は、写真でおわかりのとおり、天井全体を提灯で埋め、路上以上の明るさで階段を照らしている。


さらに、階段を降りると正面には、「焼き鳥 水炊き」の文字と「いらっしゃいませ」の案内。

 なんとなくここまできた通行人をわくわくさせる演出をしている。

 

 同店は、オープン以来連日満席状態で、飲食店激戦地区でありながら、集客数が周囲の競合店を上回る成果を挙げている。

 看板は、通行人の感性を誘導するロジックさえきっちりと押さえていれば、確実に通行人をお客に変える集客装置になるのである。

 

 

出店ドットコム編集部ひとこと

提灯があると、なんだか賑やかそうで値段もお手頃のような気がしますね。


看板というと、なんとなくこんな感じというイメージがありますが、形は自由自在に決めてよいものであり「自店の特報を何かに例えるならなんだろう」という視点から考えてみると面白いオリジナルのものを作るヒントになるのかもしれません。


執筆者 小山雅明 博士(工学)
アイワ広告株式会社社長:日本感性工学会理事

 

集客サインコンサルティングの第一人者。有名外食チェーン店の集客アドバイザーをはじ め、数多くの飲食店、小売業など、業種を問わず V 字回復に導く。これまでに、11,000  を超える企業・店舗を繁盛店に導いている。

 

 人間の心と行動のあいまいさを工学を使って解き明かす「感性工学」の研究者として、「集 客の科学」を研究。研究成果は、「集客看板の 3 段階確率論」「看板偏差値」という独自理 論の構築につながっている。「段階確率論」は、スウェーデンで開かれた国際大会の席上、 査読論文として発表され、各国の研究者・学者から大変好意的に迎えられた。

 

NHK、テレビ東京、日本テレビ、TBS などの番組でたびたび特集を組まれ、雑誌・新聞メ ディアでの連載多数。現在までに 22 冊の著作を出版している。 主な著書に、三笠書房「人の心は色で動く」、かんき出版「看板の魅力で集客力がアップす る」、日労研「看板偏差値」、エーアイ出版「一冊の本で人生が変わる」など。

 

アイワ広告株式会社

http://aiwa-ad.co.jp/

 

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