本気で集客力アップしたい人向け 出店ドットコム連載コラム

「通行人をお客に変える」唯一の集客装置 シリーズ

[Vol. 4] 空中店舗への集客を最大化する、「通行人をお客に変える」看板演出とは?

2018年11月15日(木)コラム一覧

空中店舗への集客を最大化する、

「通行人をお客に変える」看板演出とは?

店舗立地は集客を考えたとき非常に重要な要素になる。


 集合ビルの空中階に立地する店舗より、路面店(道路上に面した店舗)の方が、通行人からは圧倒的に「発見」されやすい。

店舗が発見されやすいということは、自店舗への顧客になる確率が高くなる、ということだ。


だが、すべての店舗が、条件の良い路面店として開業できるかというと、それも不可能な話になってくる。

むしろ、路面店は全体の一部で、多くの(特に飲食店の場合は)店舗は、集合ビルや複合ビル、雑居ビルなどの空中階に立地することになる。


そのため、ビルの空中階に立地する店舗は、看板を効果的に活用して集客を最大化する必要性が出てくるのである。


ここで問題になってくるのが、通行人(=潜在的な顧客)を、いかにしてビルの空中階に立地する自店舗まで誘導するのかという、「通行人をお客に変える看板演出」であろう。



 そこで今回は、神奈川県藤沢市にある地鶏料理の店舗で行った看板改善事例から、集合ビルに立地する空中店舗での「集客看板」を見ていきたい。

 

なぜ看板での集客効果を感じられなかったのか?


 小田急江ノ島線の湘南台駅を降り、駅前ロータリーを渡って歩行者専用道路を行くと、視野に飛び込んでくるのが、ビル壁面に設置された袖看板の、「地鶏屋」という業態名と「軍鶏」の文字だ。







地鶏屋鶴兵衛。


地鶏ブランドとして有名な名古屋コーチンを交配させてできた「信州黄金シャモ」、その火柱焼きが一押しメニューの地鶏専門店である。


この袖看板は、同店で提供されるサービスを、シンプルな表現で掲出したデザインになっている。つまり、「店名」ではなく、何屋さんかという「業態」を全面に打ち出した、


「集客看板」理論に基づいた看板になっているのである。看板は、同店から依頼を受け、アイワ広告がデザイン・製作してリニューアルしたものだ。


同店はオープン時に、デザインを含めた看板一式の製作を、地元の看板業者に任せた。そこで出来上がってきた看板は、可もなく不可もない、


おとなしいデザインと色味で、通行人への訴求効果が薄いものであった。事実、看板による集客は、あまりなかったという。

通行人目線による看板ではなく、製作側(看板職人)目線による看板であったわけである。

地鶏屋鶴兵衛は、複合ビルの2階に立地する店舗である。

これまで掲出していた看板では集客が難しいと考え、看板の改善をすることにした。



しかし、ビルの空中階に立地する店舗まで、看板で集客ができるのか? 


そのような疑問を持ちながらも、ネットで情報を集めていたところ、アイワ広告のホームページに辿り着いた。

そこで、「看板は集客装置」という考え方を知り、看板改善をアイワ広告に依頼してきたのであった。

 

店内までの動線を作る:見えない入口を可視化する看板演出


 私たちが最初に行ったのは、看板偏差値に基づいた現状分析である。

 同店が入居するビルは、角立地の複合ビルである。


角地に立地するビルの中には、店舗入口が全体のエントランスとは別に、店舗専用の入口を設けているケースもある。


今回の場合も、店舗専用の外階段があるのだが、そこは交差する道路上に接しているため、袖看板で店舗の存在に気づいても、入口に迷って入店に至らないことが多い。



 そのため、店舗への誘導を、外階段の近くでしっかりと行わなくてはならない。


 

 今回は、外階段入口横の植え込みに、立て看板を設置することにした。

 デザインは、「火柱焼き」写真をメインにして、店名とメニュー、値段表記をレイアウトしている。

さらに、店内写真、料理写真をコラージュし、看板を見るだけで店内サービス、店内環境が確かめられるようにした。


 通行人が店頭で入店を躊躇する理由のひとつに、店内の様子やサービスがわからない「不安感」がある。

看板に店内写真や料理写真を大きく掲出することは、その不安感の解消につながる。

さらに、料理の写真は、通行人が「店内で提供されるサービス」をリアルに想像でき、入店への動機を作る効果を生み出す。


店舗が提供する一押し商品を写真で大きく掲出することで、「通行人をお客に変える」ツールとなっていくのである。


 「たかが写真」と思われるかもしれないが、写真が与える訴求効果は、想像以上のものがあるのだ。

 現代はSNSが全盛の時代だ。SNSの拡散には写真が必須であることは、誰もが知っている。


飲食店の口コミサイトでも、店内で提供される料理写真は、新しいお客を呼び込む大きなアイテムになっている。それは看板でも変わらない。

店内のサービス、一押し商品の写真があるのとないのでは、通行人への訴求効果が全く異なってしまうのである。


 さらに店舗の位置情報として、赤ベタの矢印表記をデザインした。看板全体のデザインを損なわず、しかし、見る人がしっかり認知できる形に工夫してある。

 店内への入口がわかりにくいビルの空中店舗は、看板で入口を可視化することが求められるのである。

 


一枚の看板でお店の魅力を伝える看板デザイン


 通行人が「このお店に入ってみたい」と思う瞬間を考えてみたい。

 街を歩いていて、どこかの飲食店に入って飲食を楽しみたいと考えている人が、特定の店舗に入店を決めるきっかけにはさまざまなものがある。スマホから飲食店口コミサイトなどにアクセスし、自分がいまいる場所の近くにある飲食店を探しだすケースも多い。


 しかし、依然として入店経路として多くを占めているのが、看板を見てお店を発見し、入店するというケースだ。

地域密着型フリーペーパーを全国で発行している「ぱど」が行った「店舗への入店経路」の調査結果が面白い。


「行ったことのないお店を見つける」きっかけとして、「看板・店頭を通りかかる」が85%を占めており、さらに、外から「店内の様子や雰囲気がわかる」ことで入店に至る人が58%に上っているという結果が出たのである。


 つまり通行人は、店頭に設置された看板で掲出される店舗内情報を見て、そこに「魅力」を感じるとき、入店動機が生まれてくるということだ。


 特に飲食店の場合、入店=料金が発生する、という状態になる。入店して席に案内されたら、料理を注文することになる。つまり、入店するということは、そこで料金が発生することを意味するわけだ。だからこそ、看板で掲出された情報を見て、「このお店にならお金を使ってもいい」と思ってもらわなくてはならないのである。


店頭まで来た通行人は、「この店に入店して大丈夫だろうか?」「このお店で飲食をして後悔しないだろうか?」と、常に頭の中で考えているものだ。自分が通行人としてどこかの店舗にはじめて入店する状況を想像すれば、それはよく理解できるはずだ。


 店頭で掲出する看板の重要性がここにあるのである。通行人に「安心感」を与えるその店舗ならではの特別な情報の掲出が大切なものになってくるのである。


 地鶏屋鶴兵衛の場合、大きなアピールポイントがある。

それは、「黄金軍鶏」と「火柱焼き」。この2つのアピールポイントをビジュアル化することで、通行人に対して店舗の魅力を伝えることが可能となる。魅力を伝えるということは、通行人に「安心感」を与えるということでもある。


 



 実際に設置した看板写真をご覧いただきたい。

この看板は、店舗入口専用階段脇のビル壁面に設置した。大きく火柱が上げながら地鶏肉を焼いている写真を2枚、看板全体に配置している。その写真に、「絶品!!火柱焼き」のコピー。

 この看板を見るだけで、お店のアピールポイントが瞬時に理解できるはずだ。


 さらに調理している写真は、見る人の五感を刺激する効果を持つ。視覚ばかりでなく、肉を焼くときの音や、溢れる肉汁が火にあぶられたときに感じる匂いなども、同時にイメージさせるのである。


 写真などのビジュアル情報を効果的に使うことで、通行人に対して店舗の特別な魅力を伝える看板になる。この看板が、「通行人をお客に変える」集客装置になるのである。

 

 さて、この看板は、店舗の魅力を伝えるばかりでなく(魅力確率)、通行人に向けた「店内誘導(IN誘導確率)」をも併せて行っていることに気づかれただろうか?

 AFTERの写真をもう一度ご覧いただきたい。看板の左端に、「階段形状の矢印」が記載されている。店内入口への誘導アイコンである。


 多くの看板は、このような誘導アイコンは、直線での矢印表記をする。例えば、左側に入口があれば、「入口はこちら←」という具合の表記だ。

しかし、この看板は、あえて階段形状の矢印アイコンをデザインし、直観的に「入口は左の階段を昇ったところにある」ことがわかるようにしてある。

通行人の「感性」に訴えかけるデザインで、IN誘導確率を高めているのだ。

 通行人をお客に変える「集客装置」としての看板は、通行人の感性を誘導するデザインが求められるのである。


出店ドットコム編集部ひとこと

飲食店ビルの下に立ち、どの店に入ろうかと看板を見回す自分を想像し、店内の雰囲気やサービスがわかるお店を選んでいることに思い当たります。

中でも、業態や料理の写真だけでなく、店内の雰囲気がわかる写真で決めることが確かに多い。


「お客が店に入るまでの心理」を意識すると改善点がわかりやすいかもしれません。


執筆者 小山雅明 博士(工学)
アイワ広告株式会社社長:日本感性工学会理事

 

集客サインコンサルティングの第一人者。有名外食チェーン店の集客アドバイザーをはじ め、数多くの飲食店、小売業など、業種を問わず V 字回復に導く。これまでに、11,000  を超える企業・店舗を繁盛店に導いている。

 

 人間の心と行動のあいまいさを工学を使って解き明かす「感性工学」の研究者として、「集 客の科学」を研究。研究成果は、「集客看板の 3 段階確率論」「看板偏差値」という独自理 論の構築につながっている。「段階確率論」は、スウェーデンで開かれた国際大会の席上、 査読論文として発表され、各国の研究者・学者から大変好意的に迎えられた。

 

NHK、テレビ東京、日本テレビ、TBS などの番組でたびたび特集を組まれ、雑誌・新聞メ ディアでの連載多数。現在までに 22 冊の著作を出版している。 主な著書に、三笠書房「人の心は色で動く」、かんき出版「看板の魅力で集客力がアップす る」、日労研「看板偏差値」、エーアイ出版「一冊の本で人生が変わる」など。

 

アイワ広告株式会社

http://aiwa-ad.co.jp/

 

【本社】

194-0023 東京都町田市旭町1-21-14

本社営業チームTEL 042-710-1200

本気で集客力アップしたい人向け 出店ドットコム 連載コラム 「通行人をお客に変える」唯一の集客装置