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「通行人をお客に変える」唯一の集客装置 シリーズ

[Vol. 7] 店頭まで来た通行人を確実にお客にする!「IN誘導確率」を高める方法

2019年01月04日(金)コラム一覧

店頭まで来た通行人を確実にお客にする!「IN誘導確率」を高める方法

 集客看板理論「3段階確率論」、今回は「IN誘導確率」について解説したい。


 通行人が看板を「発見」し、その看板でお店に「魅力」を感じ、店頭までやってくる。多くの飲食店オーナーは、店頭までやってくればそのまま店内に入店するだろうと考えがちになる。ところが、現実はそうではない。


 せっかく店頭まで来てくれたのに、入店に至らずそのまま立ち去ってしまう通行人は、店舗オーナーが想像する以上に多くいるのが現実だ。もちろん立地や業態、店頭の状態によっても異なるが、極端なところでは、店頭まで来てくれた通行人の9割が、そのまま立ち去ってしまう、というケースも実際に確認している。


まり、看板を発見して魅力を感じて店頭までやってきても、店頭の様子を見て立ち去ってしまう通行人が、10人中9人いる、ということである。


これは、9人の顧客を逃していることを意味する。店頭で顧客を逃すというチャンスロスが、店舗経営にとってどれほど大きな影響を与えるか、改めて指摘するまでもないだろう。

 チャンスロスの解消には、「IN誘導確率」を高める必要があるのだ。


 

通行人ははじめてのお店には不安感を抱く


IN誘導確率には、2つの意味がある。


 ひとつは、上記で述べたように、店頭まで来た通行人が迷いなく入店に至る確率のこと。通行人は、店頭に掲出されたさまざまな情報から、店内の様子を想像する。


路面店でガラス張りの飲食店であれば、外から店内を伺うことができ、入店するかどうかの決断は容易に行える。同じく、道路に面した場所がテラス席になっている店舗も、通行人は店内の雰囲気をすばやくチェックすることができる。


 ガラス張りの路面店や、テラス席のある店舗にお客が集まるのは、「店内の雰囲気を外から確認できる」という「安心感」で、入店までの障壁が少なくなることにその理由のひとつがある。


 これが、路面店であっても、外から店内の様子が伺えない飲食店や、地下階、空中階に立地する店舗となると、入店に至るまでの障壁が大きくなっていく。


その障壁のほとんどが、「店内の雰囲気を外から伺えない」ことによる「不安感」の形成だ。飲食店の場合、「入店=飲食物を注文する=お金を使う」という図式が脳裏をよぎるため、「本当に入店して大丈夫なのか?」「料金に見合った満足感やアメニティを提供されるのか?」という心理状態が生まれてくる。これが「不安感」の正体だ。

この不安感は、以下の5つに分類される。

 

1.     店内の様子、雰囲気がわからないことからくる不安感

店舗の経営コンセプトに従い、店内環境は作られるものだ。すなわち、ターゲット層を明確にし、そのターゲットに合わせた雰囲気を、店舗側は店内に構築しているのである。


 若者がターゲットなら、若者にとって居心地の良い店内環境が。年配の方をターゲットにするのであれば、年配の方がリラックスできる雰囲気を作り出すことが、繁盛店の条件となる。


 つまり、お店のコンセプトは想定する客層に合わせた店内環境の整備が大切だということだ。その店内環境を、通行人に向けて積極的に発信できるかどうかが集客では重要だ。


2.     提供されるサービス、料金などの情報が不明なことによる不安感

飲食店への入店は、飲食物の注文を意味する。お客は、飲食店への入店前に、「予算感」を考える。「今日は2000円まで」とか、「特別に5000円まで」とか、ひとりで入店しようと、グループで入店しようと、決められた予算で楽しもうというのが、お客の心理だ。


 このような「予算感」は、入店する店舗選択の大きな要因になる。もし店頭で、全体の予算をイメージできなければ、どれほど店内の雰囲気を気に入っても入店に躊躇することになる。
 だからこそ、店頭での料理や料金などの「店内サービス」情報は確実に通行人に向けて発信しておきたい。

3.     店舗入口の乱雑さで感じる不安感

店頭の看板や道路に面した窓が手書きのPOPだらけのお店をよく見かける。店頭に情報を掲出するのはいいのだが、あまりにも多すぎる情報掲出は、統一性がなく乱雑さを感じさせるだけになってしまう。


店頭の乱雑さは、店内の乱雑さを連想させる。つまり、通行人が店内での快適な居住性をイメージできなくなるのだ。
 人は、整理された情報の方に、より注意がいくものである。また、整理された情報は、店舗の魅力を伝えやすくなる。店内の快適さを連想させるからだ。


もちろん、計算されたデザインで乱雑な状況を演出している店舗もわずかながら存在することも事実だ。しかしそのような店舗は、コンセプトを明確にしており、そのコンセプトに沿った状態で「乱雑さを演出」している。無計画にポップや看板を統一感なく設置しているのではないことを理解すべきだろう。


 このように考えてみると、情報過多な雑然とした手書きPOPは、店舗の魅力を発信する以上に、通行人からの関心を失いやすくなることがわかる。

 

4.     店頭が暗いことで感じる不安感

人間の本能として、暗闇には不安感を抱くものだ。夜の闇、トンネルの暗さ、ビル入口の暗さ。いずれも無意識のうちに人に警戒心を抱きやすくさせてしまう。


 店頭の入口を照らすライトが切れている店舗をよく見かける。看板の電球が切れたままにしたお店も多い。そのような店舗を見るとき、通行人はどんな心理を抱くだろうか?


 そのお店に対する不安感、警戒心。そのような心理が心をよぎるはずだ。
 店頭は常に明るく照らしだしておかなくてはならない。それだけで、通行人(潜在的な顧客)の不安感や警戒心は薄れていくものだ。

5.     店舗の入居するビル入口からの適切な誘導がない

路面店に比べ、空中階や地下店舗への集客は、その立地だけで集客の難易度が上がる。なぜなら、通行人が外から店内の雰囲気を直接確かめることができないからである。同時に、通行人が入店するためには、ビルの階段やエレベーターを使用しなければならないことも、入店に至る障壁になっていく。


よく見かける例として、店内に向かうための建物入口ではなく、ビルの中に入ったところに店内情報を掲出している店舗がある。通行人がここまでたどり着くためには、階段を降りる(上る)行為、もしくはエレベーターに乗る行動が必要とされる。だが多くの店舗では、ビル内の自店舗周辺にだけ店内情報を掲出しておけば集客できると勘違いしてしまうのである。


繰り返すが、自店舗に入店してもらうためには通行人をビル内に誘導する必要があるのだ。つまり、まず考えるべきは、自店舗の魅力を「通行人に直接アプローチする演出」である。

通行人がビルの外から店舗の魅力を感じられる情報に触れることで、入店への動機が作られ、自然な形でビル内に誘導できるのだ。









 沖縄創作料理、という業態を店構えにも反映させ、店頭に石垣島の民家を模した「石の壁」を作った店舗である。このような凝った外観は、ここが沖縄料理の店であることを通行人に瞬時に伝えることができ、業態認知度の向上施策としては申し分のないものになっている――ように見える。


ところが、この店頭演出が、通行人に敷居の高さを感じさせる結果となってしまった。

沖縄を演出した装飾物としての壁が、通行人の入店を躊躇させる「心理的な壁」になってしまったのである。

それは、店舗が石垣の壁で囲まれていることで、通行人が店内の様子を伺えず、入店への敷居が高くなってしまったことに、その原因があった。同時に、石垣風の壁の存在が、店頭を暗くしていた。

店頭の暗さと店内環境の情報不足。通行人に不安感を感じさせる要因が重なっていたのである。その結果、「興味は持たれても一見のお客が入店しづらい」状況を、知らずしらずのうちに作り出すことになっていた。

 通行人が入店する強いきっかけになるものは次の3点である。

 

     店内環境情報

     サービス情報

     料金情報

 

これらの3点が明確になっていればいるほど、通行人に対して入店への動機を強める。


「店内の雰囲気はどのようなものか?」「落ち着いて飲食できる店か?」「従業員のサービスの質はどうか?」「予算は満足いくものか?」――通行人は店頭でこれらの疑問を瞬時に脳裏に浮かべるものだ。


それらの疑問を店頭に掲出した看板などで解決してあげれば、通行人はその店舗の顧客になる確率が非常に高くなっていく。

 特に、はじめて入ろうとする店に対しては、通行人はまず「不安感」を持つものだ。店頭まで来た通行人をスムーズに店内に誘導するためには、通行人が抱く不安感を解消してあげることが必要となるのである。


 「てぃーだ」での不安感を作り出す2つの要素、「店内の様子がわからない」「店頭が暗い」を解消するために、設置する看板はこのようなものにした。

 

まず、店頭の壁全体に内照式の壁面サインを設置した。このサインは、店内で提供するメニュー看板の役割を果たすと同時に、店内環境を知らせる役割をも持っている。